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サナ

戦国時代からタイムスリップした女忍者。現代で行き倒れていたサナは、何のゆかりもない村田正子と出会い助けられた。この物語は、その数年後に始まる。サナは、過酷な運命に負けない強靭な身心、そして、竹を割ったようなサバサバした明るさと、純粋な好奇心を取り戻している。驚異的な戦闘力を持ち、「天誅!」という命に対し「承知!」と応え、世にはびこる悪人を成敗する。背中に大きなバッテンの傷痕があり、血の臭いに敏感。出陣の前には握り飯を一つ食べる。正義を問われると、サナは答える――「正義などわたしには、ない。握り飯一つ分の仕事をする。ただ、それだけ」。

 

しょう | 13歳 | 施設で育った少年。行方不明になった八歳の弟・優斗を捜していて、危ない組織に近づき、襲われる。その時、サナに助けられた。母に捨てられたと思い込んでいる翔は、弟までも失い、孤独で絶望の淵にいた。だが、依頼人となってサナと共に弟を捜すうちに、しだいに心を開いていく。頑なな子供っぽさと、恋話には妙に訳知りの大人っぽさが混在している。宝物は、翡翠の石。

 

たける | 25歳 | 裕福で眉目秀麗な研修医。ふだんは、真面目な尊だが、サナに一目惚れして、出会ったその日に、デートに誘ってしまう。実は、尊は、翔と同じ施設で育ち、養子として巣立ったので、翔の施設から頼まれれば、夜中の往診でも買って出る。人当たりが良く聡明な尊は、親切に車を出し、サナや翔と一緒に、翔の弟を捜すように見えたが・・・

 

大道寺静一郎

だいどうじ せいいちろう | 50歳 | 臓器移植のために人身売買をするエリート外科医。大道寺医院院長。冷淡で知的。「患者のため」と言いながら、人の命を落とすことなど、何とも思わない。児童養護施設『柳道園』の園長と結託して、身寄りのない孤児を見つけては、誘拐してきた。以前は、「神の手」と言われるほどの腕を持つ外科医だったが、持病のため、現在はその腕をふるうことはない。政財界・警察との繋がりも深く、医院は、誰も立ち入れない聖域になっていたが・・・

 

小太郎

こたろう | 戦国時代のサナの思い人。忍びとして敵国に潜入してきたサナを見初める。女忍者に恋はご法度。葛藤しながらも、サナは、小太郎に惹かれていくが・・・。最初で最後の、サナの悲しい恋の相手。

 

ユウ

15歳 | サナのたった一人の肉親の妹。おとなしく優しい女忍者。戦国時代、敵国に潜入していたサナとユウは、正体がばれて絶体絶命に。戦闘中に爆発が起きて、生き別れになった。サナは、行方不明の翔の弟に、ユウの姿を重ねて懸命に捜す。果たして、サナとユウは出会えるのか・・・

 

サナの母

戦国時代のサナとユウの母。焼打ちにあって命を落とした。

 

柳生静悦

やぎゅう せいえつ | 柳生一族の頭領で、小太郎の父親。